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 下野市の犬と猫の専門クリニック。やまざき犬猫病院です。

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症例紹介Case Reports

交通事故による?猫の横隔膜ヘルニア

13歳の避妊済みメス猫の『コピー』ちゃん
帰ってこないので探していたところ、縁の下で見つかり連れてこられました。来院時は、低体温と呼吸困難で瀕死の状態でした。急遽レントゲン検査で横隔膜破裂によるヘルニアを診断し、ICUで保温と酸素化を試み、呼吸が楽になった後に点滴留置とさらなる酸素化で一命を取り留めることが出来ました。横隔膜が裂けて、腹腔内に有るべき腸管が胸腔内に見られます。腸内のガスと共に腸管がはっきり見えているのが診断ポイントです。その分、腹腔内にはほとんど腸管が見られなくなっています。これでは呼吸困難が改善できないのは明白です。
術中のワンショットです。
横隔膜の裂け目が大きく口を開けているのが判りますね。此所を縫合して裂け目を完全に塞がなければなりません、猫の場合、横隔膜が薄くて弱く破けやすいのと、横隔膜の肋骨に近い移行部で裂けることが多く今回も肋骨に添って裂けていたため、縫い代の余裕が無く大変苦労して縫合しました。胸腔を開ける手術には、ベンチレーターが必須ですが、当院で使用している『BIRD』のMARK7は秀逸です。シンプルで操作性が良く、吸気圧の調節も微妙にでき、最初は弱めの設定で酸素分圧の維持をオペモニターで見ながら肺への負荷を減らし、閉胸前に強めにして肺が充分に膨らんだのを確認して完全に縫合を終了することが出来ました。
手術終了後に確認のため撮影した画像です。
胸腔内に有った腸管などの腹腔臓器を全て腹腔内に戻してお腹の部分が膨らんでいるのと、胸腔内では心臓の形がはっきり判るようになり、肺の陰影もほぼ正常な写りたかが確認できました、胸腔内に残っている空気のために心臓が胸骨から離れて写っていますが、胸腔内にドレーンを装着してあるので、吸引抜気と出血や浸出液の吸引が可能です。術後ICUで保温と酸素化を続け、5日後にやっとICUから出ることが出来ました。1週間後には自力で食餌できるまで回復したので、目出度く退院になりました。
高齢で最悪な状況から戻ってきてくれた生命力の強さに感動するとと共に諦めない治療の大切さを実感した症例でした。
こちらは、別の症例ですが違いが分かりますか?
この症例は、よく横隔膜ヘルニアと誤診されやすい胸腔内の液体貯留を示す画像です。膿胸であったり伝染性腹膜炎の胸水型などがよく見られます。当院のレントゲン画像は『VPX200』と『FCR』の威力で、横隔膜ラインの確認と腹腔臓器の位置関係など、ヘルニアとの違いがはっきり確認できると思います。
比較のために猫の正常な胸腔の側面画像を見つけてきました。

心臓と胸骨が離れていませんね。これが離れると気胸のサインです。
頸部から胸部の気管も黒いラインではっきり判ります。
肺野の含気が十分であれば肺は黒く写り、気管支や血管系は白っぽいラインで確認できます。

大変珍しい症例でした!

生後10ヶ月の長毛三毛トラの『エマ』ちゃん。目鼻立ちのしっかりとした、大変愛くるしい顔立ちのメス猫ちゃんに見えます。

生後3ヶ月頃に初診で3種混合ワクチン接種に連れてこられました。
成長も順調で6ヶ月の時に避妊手術のご依頼で、手術を実施致しましたが、いくら探しても見つからず、結局、卵巣:子宮共に欠損と言うことで手術を終え、腹帯を着せている時に陰部内にペニスを見つけ、その事をオーナー様にもご報告して、極めて稀な症例ではありますが、こんなことも有るんだとご納得いただきました。
その2ヶ月後に胃炎症状で治療の際、再び気になっていた陰部を確認すると、その両側皮下のすぐ触知できるところに精巣(睾丸)らしき組織がしっかり2つあることを発見し、再びオーナー様にご報告。避妊手術時には、精巣が未熟で小さく触れなかったのだと納得した次第です。その1ヶ月後に去勢手術でご来院時には、さらに成熟してご覧の通り剃毛すればハッキリと存在が確認できるまでになっていました。
陰部内にはしっかりペニスが有り、根元の方には猫特有のイボイボも微かに確認できます。しかし本来の包皮とは位置も形も違うため、ペニス本体を収容し切れていないようで、先端が飛び出して見えています。精巣の位置も本来肛門とペニスの間に有るべき位置には無く、よく見ると陰部と肛門の間も大変短くメスとしての位置関係にあるのが判ります。何とも奇妙な状態ですが、手術をするには少々ややこしい位置に精巣が有り、本来の術式では、出来そうもありません。
摘出した精巣(睾丸)です。

どちらも正常な状態で摘出できましたが、月齢の割には未発達で正常の大きさの約半分くらいに感じました。
縫合後の画像です。

当院では通常、猫の去勢手術は陰嚢の正中を1カ所切開してそこから両側の精巣を摘出し、縫合しないで終了致します。しかし今回は、陰部と肛門の間隔が短く正中切開するには条件が悪いので、画像の通り2カ所切開してそれぞれの精巣を摘出致しました。皮膚のしっかりしている場所ですので、縫合してあります。ただ、縫合すると気にして舐めてしまう猫ちゃんも有り、あまり気にするようですとエリザベスカラー装着で防がなければなりません。
手術直後に全身像を撮影しました。

白、黒、茶の3色柄に惑わされて、2回も手術をされてしまい、とんだことになってしまいましたが、病院が嫌いにならないでくれることを願うばかりです。これを良い経験として、性別チェックは月齢を待って、しっかり確認するように気をつける事を肝に銘じる症例でした。

お団子の串を飲んでしまった『ラッキー』ちゃん

7歳になる土佐犬とピットブルのミックス犬『ラッキー』ちゃん。
以前から、眼瞼内反症による慢性の結膜炎が有り、内服と点眼で経過を見てきました。体重が40kgを越える大型犬で、全身麻酔はできればかけたく有りません。しかし、そんなことは言っていられない一大事が起きてしまいました。お彼岸にお団子を串ごと食べてしまったとのことで、ご来院頂きました。元気は良いのですが、食欲がなくなり、水を大量に飲んでは吐きっぽいとの事。胃切開で摘出しなければならないようです。術前検査で、貧血と脱水が有り、発熱と白血球の増加も見られます。体格が大きすぎて串はレントゲンにも写りません。穿孔している場合も想定して、点滴入院していただき、万全を期していざ手術となりました。
処置が早かったことも有り、また串の先端がそれほど尖っていなかったので胃壁を穿孔せず、胃内に留まっていましたので胃切開にて摘出しました。時間に余裕があれば、避妊手術も依頼を受けていたので確認のため卵巣:子宮を見つけに行ってビックリ!!子宮が腫れて腸管のようにうねっていました。『子宮蓄膿症』になっているではありませんか!ここからが大仕事になってしまいましたが、無事に全摘出し、手術を終えました。術後数日間吐き気が残りましたが、点滴で維持して回復してくれてホッとしました。
術前検査の『貧血』『脱水』『発熱』『白血球増加』また、大量の飲水嘔吐も全てこの『子宮蓄膿症』による症状でした。子宮内にこれほど血膿が充満していても元気が良かったので、発見が遅れてしまうところでした。本当にラッキーでした。そういえば名前が『ラッキー』ちゃんで納得ですね!胃内の異物を内視鏡で取り出す方法もありますが、当院には内視鏡はまだありませんのでこの術式は選べません。が、安易に楽な方法をしていたら、取り返しが付かない結果を招いていたかと思うと、これで良かったと思いました。

三毛猫の去勢手術

今回、大変珍しいケースが有りましたので、オーナー様のご了解を得てご紹介致します。平成26年3月頃の生まれではないかとのことで、立派に育っています。体格も4kg以上あり、『大柄のメス猫ちゃんですね!』と申し上げたら、『いえ、オスです。』との申告で、びっくりしました。
よくよく見ると頭の大きさで、確かに雄猫のスタイルですが、ご覧のように頭部にも綺麗な三色模様があり、れっきとした三毛猫の風貌です。
今までに何回か、微妙に三毛っぽいオス猫に遭遇したことはありましたが、体幹もしっかりと三色模様があり、これほどハッキリと三毛の毛色をしたオス猫を見たのは開業して30余年初めての経験でした。三毛のオス猫は、大変珍しく希少価値もあるのでは、また、繁殖能力が無いと言う情報もあることなどをお伝えしましたが、お年頃になって臭い付けのスプレー行為が始まり、オーナー様としては、いたたまれず去勢手術をしたいとのことで、来院されたとのことでした。
手術直前の毛刈りが終わったところです。睾丸は所定の位置に二つ有り、しっかりと成長していました。

マダニの大量寄生:栃木県は要注意!毎月予防しましょう!

昨年夏に当院で遭遇した症例です。犬の毛色が黒いので、オーナー様も気づくのが遅れてしまったようです。これだけのマダニに吸血されては、いくら体格が大きく体力があっても、とても耐えられません。病院までは何とか自力で歩いて来たようですが、診察室で倒れてしまいました。大量の吸血による貧血で舌の色が薄くなっているのが判りますね。マダニは一度食いついたら2週間は離れずに吸血し続けます。また、血液に寄生するバベシア原虫の媒介でも有名です。近年では、人の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの媒介で死亡する人も確認され注目されています。この症例のようにマダニは一度に大量寄生することも珍しくはありません。春先から既にマダニの寄生が始まっています。お散歩から帰ったら充分にブラッシングで確認してあげて下さい。ただ、吸血前のマダニは黒ゴマ程の大きさですので、最初からこんなに大きくはありません。注意深くブラッシングして下さい。そして、1匹でも発見したらすぐにマダニ駆除のご用意をお願いいたします。ただし、ホームセンターやドラッグストアで市販されている製品はほとんど効果ありません。また、お散歩時はオーナー様ご自身もしっかりマダニ防御をしてお出かけ下さい。
当院では、犬猫のマダニ対策に動物病院専用の動物用医薬品マイフリーガードRを処方して、月に1回使用して頂いています。
後発製品でコストパフォーマンスに優れており、ばら売りですので価格は以下の通りリーズナブルです!!
猫用:600円〜 犬用:800円〜
※ オーナー様のマダニ対策は こちら や こちら を参考にして下さい!

肛門周囲腺腫:高齢のオス犬に好発

若いうちに去勢手術を済ませておくと防げる疾患のひとつです。画像の症例は、16歳の雑種犬ですが、腫瘍が多発してしまい自壊して肛門周囲が汚れ、悪臭もひどくオーナー様が耐えきれなくなり相談をお受けした症例です。術前検査で、肝臓に異常値のデータがあり入院治療にて正常値まで戻ってからの手術になりました。高齢になってからの手術には危険が伴いますので、細心の注意を払いながら実施しました。費用も合計で去勢手術の10倍近くかかってしまいました。

ご覧の画像は、左から術前の画像とそのアップ画像、6カ所の腫瘍切除手術直後、そして1年後の画像です。1年後に予防の時期になり再診時に拝見しましたら、排便障害等の後遺症もなく、跡形無く完治していました。この症例は極端にひどくなってしまった症例ですので、此所までになる前に手術してしまえば術後の管理も楽に行えます。
この症例もそうですが、腫瘍摘出手術時には同時に去勢手術も行います。

なお、この他にも若いうちに去勢手術をしてあげることで防げる疾患として、肛門周囲の疾患として『会陰ヘルニア』等も有ります。また前立腺関連の疾患も起きにくくなります。2歳までに去勢手術を強くお勧め致します。

腸閉塞が疑われた症例

7歳のコーギー犬です。5日前に白菜の芯を飲み込んでから吐き気が止まらなくなり、栃木市内の病院へ連れて行ったそうです。血液検査を全てされて内臓には異常ないと言われ、脱水の治療を受けたそうですが、吐き気はいっこうに止まらなく弱っていくので、当院を受診されました。確かに極度の脱水があり、飲水後すぐに嘔吐するようでした。発熱はないので感染症ではなさそうだし、オーナー様の申告通り腸閉塞を疑い検査に移行しました。もちろん脱水の治療もあり点滴入院していただきました。血液検査では腸閉塞は判りません。
上の画像は横向きの単純撮影ですが、腸内のガスが貯まっているのと胃のあたりに何か有るように写っていますが、はっきりしません。そこで、デジタル画像処理の強みで白黒の階調を変えて見ると、ご覧の通りはっきりと異物が浮き上がってきたのが判ると思います。これがデジタルレントゲンの凄いところです。次に、この異物が原因で通過障害が起きている確定診断をつけるため、バリウムを胃内に注入し、時間をかけて流れて行くのを観察しなければなりません。
画像は必ず正面と横向きの2方向で撮影しますが、今回は横向きだけで解説しています。注入後30分の画像です。バリウムはほぼ胃内にとどまり、流れが非常に悪いようです。やはり胃に近いところで閉塞が起きていると疑われる画像です。
注入後3時間です。胃内に有ったバリウムが小腸へ流れ出してきました。しかし、胃腸の動きが大変悪そうです。重度の脱水症状があると胃腸の動きが止まってしまいますので仕方有りませんが、持続点滴も平行して続けていますので、回復待ちと言ったところでもう少し時間をかけて観察して行きます。点滴に吐き気止めも混ぜてあるので、吐き気は押さえ込まれているようです。
注入後6時間です。胃から流れ出したバリウムが先の方まで行っているようですが、やはり流れが非常に悪く、閉塞が強く疑われます。しかし完全な閉塞ではなさそうなので、もう少し観察を続けます。当のコーギー君は、この頃から少し元気が出てきたようで、何か欲しそうな顔をしだしました。試しに吐き気止めを混ぜて水を与えたところ吐きません。何か良い兆しが見えてきだしました。
注入後24時間です。バリウムはほぼ小腸を通過して結腸から直腸まで達しています。また、バリウムの陰影から腸管の動きが出てきているのが判ります。宿便が直腸まで来ているということですので、何が出てくるのかもう少し待つことにしました。コーギー君が「ご飯ちょうだい」と言う顔をしているので少し与えると、ぺろっと完食しました。点滴の効果も出てくる頃ですので、少しずつ食事を与えながら経過を見ていると、
バリウム混じりの便が結構出ました。内容物を確認してみたところ、白菜の芯は有りませんでしたが、大量の芝草と拇指頭大の石のような異物を発見しました。しかし、石であれば単純撮影で写るはずなのですが、写っていませんでしたので不思議でした。コーギー君は、もうすっかり「ご飯ちょうだい」モード全開で、普通のフードも与えてみましたが、完食して何もなかったような顔をしています。当院では、今回のような症例を『バリウムシンドローム』と呼んでいます。
バリウムは造影剤として使用しますが、その粘調性と、粘膜保護作用とでも言いますか、結構色々働いてくれて、診断以外にも予想外の効果を発揮してくれることも有ります。たぶん今回も一時的に小腸の細いところで引っかかっていた異物をコーティングして通りやすくしてくれたのだと思いました。出てきた異物をオーナー様に確認して頂いたところ、心当たりがお有りのようでした。きっと、またやるから、絶対に悪戯できないように管理をお願いして、退院して頂きました。
しかしこの異物ですが、石にしては軽くて軽石のような表面構造です。それと、ぽっきり折れたような平らな断面も有りますので、きっと大きなものをかじっていて、ぽろっと折れたカケラを飲み込んでしまったのではないかと推察しました。堅い樹脂のような感じなので、レントゲンに写らなかったのではないかと思い、色々な物と一緒にそのX線透過性の違いによる陰影の写り方を比べてみることにしました。
左から、採取異物:石ころ:タイル:堅いプラスチックを並べて撮ってみました。採取異物は、石よりも非常に透過性が良いのが判ります。これでレントゲンにはっきり写らなかったのが納得できました。右端のプラスチックに近い透過性なのも判りますね。こんな物を飲み込んでは、診断に苦労しますので、絶対にやってはいけません!

メス犬の膀胱結石:ジャーキーが主食でした!

避妊手術済みの7歳の子です。オーナー様曰く、若い頃から偏食が強くて、主食はジャーキーを何種類も用意しては与えて、そんな食餌管理を何年も続けてきたのだそうです。数年前から、予防接種などでご来院時に体重超過のご指摘をしてきたのですが、オーナー様のお考えが変わらず、ジャーキー中心の生活を続けてきたようです。最近血尿が続くとのことで調べてみたら、『あっ』と驚く結果になっていました。下記の画像は、左から、検査時のレントゲン画像と、摘出した結石の長径及び短径のサイズを表した画像です。レントゲンの画像から、結石の巨大さもさることながら、腰部(背骨の上)皮下脂肪の厚さが体格のすごさを示しています。結石を取り巻く少し厚めのラインは膀胱炎で肥厚した膀胱壁です。
ジャーキーの弊害は、今回のような例以外にも、胆石や胆嚢炎などの胆道疾患:脂肪肝や糖尿病などの代謝性疾患の原因になるとも考えられますので、くれぐれも与えすぎにはご注意下さい。

 

猫の潜伏睾丸

雄猫に時々見られます。子猫の時期にはよく判りませんが、成長が終わる6〜7ヶ月齢くらいになると気がつくオーナー様もいるようです。去勢手術にご来院時、触診にてご指摘して始めて判明することもしばしばあります。片方の睾丸の位置が問題で、鼠蹊部の皮下に見つかる症例や、腹腔内に完全に潜伏している症例など様々です。猫では稀ですが、腫瘍化してしまう危険が有りますので、オーナー様の了解を得られれば、去勢手術時には必ず両側の睾丸を摘出するようにしています。今回の症例は、右側の睾丸が完全に腹腔内に潜伏していましたので、開腹手術も行いました。無事に見つかり両側の摘出が出来ました。
症例写真は、左から片方の睾丸だけが所定の位置に有る画像。中央は摘出した両方の睾丸で腹腔内に有った睾丸は、未発達で小さいことが判ります。右の画像は、少々痛々しいですが腹部と陰部2カ所の術創です。猫君は1回で済んで良かったと言っていると思います。術後は避妊手術と同様に腹帯を装着して日帰りで退院していただきました。約1週間で腹帯は解除できますのでそれまでは室内で管理して頂きます。

子猫の大腿骨近位端骨折

生後7ヶ月時に交通事故に遭い、大腿骨を骨折しました。しかも骨折端が皮膚を突き破り飛び出した状態で連れてこられました。開放性の骨折は汚れの付着があり、無菌的な処置が困難な場合が多く治りにくい症例になります。また、大腿骨の近位端は、大きな筋肉の付着部位である大転子があるため、大変大きな応力がかかり固定が困難な部分で、大変苦労する場合の多い症例です。手術は、ハイクロソフト水で充分に殺菌消毒して実施いたしましたので、深部の化膿など感染兆候は見られませんでしたが、皮膚の損傷が予想外に激しく縫合部位の癒合が遅れました。そして大変活発な性格の子猫で、退院後じっとして居られないらしく、『出して!出して!』と言ったとかで、オーナー様ご家族がケージから出して動かしてしまい、固定部位が固まるまで大変時間がかかってしまいました。一時はもうだめかと思うくらい心配しましたが何とか無事に固まってくれました。最初からずーっとハラハラさせられ、そして最後にホッとした症例です。
画像は、左の2枚が、事故後骨折端を戻して撮った画像、3番目が手術時、右の2枚が術後3ヶ月半で避妊手術時に撮影した画像です。しっかり固定できたので、ピンとワイヤーを除去して一件落着でした。

子猫の大腿骨遠位端骨折

5ヶ月の子猫が交通事故で大腿骨がグシャリと折れています。幼いため、骨の形成が未熟で柔らかいので簡単に折れてしまいます。骨折部は膝関節のすぐ上の非常に固定しにくい部位で、しかも粉砕骨折です。しっかり固定して完全に癒合するには難易度の高い症例です。
画像は、左から受傷時:手術時正面及び側面:術後3ヶ月後ワイヤ除去後の正面及び側面です。発情が来たため避妊手術にご来院時に邪魔になりそうなワイヤーなども除去いたしました。骨折部位はしっかり固まっています。関節と筋肉の拘縮が多少残っていますので、リハビリが必要になります。

超音波スケラーによる歯石のお掃除

室内犬の大部分で問題になっている、歯周疾患の根本原因である歯石の処置です。ご覧の画像は、10歳のダックス犬のお口の中です。このようになるまで10年分の歯石を蓄積してしまいました。こうなると歯石の侵食で歯茎が後退して、歯根が露出してしまいます。処置前の画像では全く判りませんが、処置後の画像から、歯石が取れた歯は表も裏もピッカピカになりましたが、歯齦の後退と歯根の露出が明瞭に判ります。そして歯肉炎の赤く腫れた症状も見られます。痛そうですね!小さな歯は、ぐらつき始めています。こうなってしまっては、元の状態に戻すことは困難と言えます。ぜひとも、若いうちから定期的に歯周のお掃除の習慣をつけていただきたいものです!
マウスケアのご案内は FAQで詳しく解説しています

東洋眼虫

あまり聞いたことのない名前の寄生虫ですが、西日本や九州に報告の多い症例です。
この虫は、目の周りにうっとうしく纏わり付いてくる小バエ『メマトイ』によって媒介される寄生虫です。
関東での報告もあるとのことですが、当院でも症例がありましたのでご紹介いたします。
オーナー様ご自身が発見されてご来院いただきました。症状は結膜炎と同じ、充血:目やに:痒みなどで目を擦ってしまって角膜に傷が付いてしまうこともあります。今回は猫の左目が充血して、瞼の裏側に動く虫を発見されたとのことです。
虫の除去を急ぎ、術前の画像を撮りはぐってしまいましたので、症例写真を載せました。採取できた虫の画像は実物で、約1〜2cm位の白い半透明に近い糸状の大変細い虫でした。寄生虫を除去して、結膜炎の治療に点眼薬を処方致しました。それと再感染の防止と残りの虫体が心配ですので、すべての対応としてレボリューションをお出し致しました。

猫疥癬(ミミダニとの違い)

野外の猫との接触が原因で感染いたします。初期には、頭部,特に耳根部あたりから脱毛:痂皮(かさぶた):雲脂(ふけ)などの病変が見られ、掻痒(かゆみ)がひどく、自虐性の傷になることも多いです。放置すると下の3枚の写真のように頭部から首、背中へと病変が進行して大変やっかいなことになります。オーナー様もこのダニに刺されてかゆみが止まらず、皮膚科を受診しなくてはならなくなってしまいます。ただ、このダニは大変小さくて目に見えませんので顕微鏡検査が必須です。頭部皮膚に異常を感じ、おかしいと思った時点でまず検査をお勧めいたします。
ちなみに、耳の中(外耳道)に寄生するミミダニは全く別のダニです。ミミダニに寄生されると耳の中が真っ黒になるほど耳垢が貯まり、こびりついて取れにくいので治療も大変です。しかし、痒みは疥癬ほどひどくないので、気がつかないオーナー様も見受けます。こちらも放置してしまうと治りにくくなりますので、早期治療が大切です。さいわい、どちらのダニも治療には特効薬がありますので、早期の適切な治療で2〜3週間の経過で完治いたします。

猫の上腕骨複雑骨折

飼い主不明の交通事故に遭った子猫の上腕骨骨折です。この他に大腿骨骨折、脊椎骨折などもあり最悪の状態でしたが、上腕骨と大腿骨の整復固定を実施しました。上腕骨は、術前画像の通り複雑に折れた斜骨折で簡単にはいきませんでしたが、ワイヤリングと創外固定法を組み合わせて2重に固定しました。右側の2枚は術後1ヶ月と2年目の画像です。画像の通り何とか無事に固まってくれました。術後2年目の画像では、すっかり正常な形に再形成されています。現在は脊椎骨折の後遺症で、後躯麻痺と排尿排便障害があるため、膀胱と結腸圧迫により1日2回排泄補助をして、元気な当院の一員として入院室を賑わせています。

犬の大腿骨遠位端骨折

生後5ヶ月の時に車に撥ねられてしまいました。気胸と胸腔内出血もあり、事故から4日後になって容態が安定してからの手術になりました。膝関節のすぐ上の非常に固定しにくい部位でしたが、手術用電動ドリルの威力で、短時間で非常にうまく固定することが出来ました。幸い温和しい性格の子でしたので、オーナー様の管理も比較的順調に出来、術後2ヶ月で避妊手術の時にピンも抜けました。

線路で轢かれてしまう

施設写真

JR宇都宮線間々田駅付近の線路を渡っていて事故に遭ってしまい、フェンスを越えられず、鳴いているところを線路際のお宅に保護されました。幸い当院のかかりつけのお宅だったので、緊急で搬入されましたが、出血多量で瀕死の状態でした。当院の栄養十分の居候猫から血液を提供してもらい輸血と点滴治療で一命を取り留め、状態が安定したところで緊急手術しました。大手術なのでペインコントロールも十分に行い、両後肢膝関節から下と尾端の轢断部分を切除して、縫合しました。当の猫君は元気になってしまうと安静が保てず、後肢の縫合部分が何回もの開き縫合方法の工夫や包帯法のとても有意義な経験をさせてくれました。結局1ヶ月以上入院してしまいましたが、現在は保護されたお宅で、落ち着いて暮らしているそうです。


子宮捻転を伴う蓄膿症

機器写真

11歳の長毛雑種猫の『みいちゃん』で来院時には腹部が破裂しそうな勢いで膨満していました。エコー検査で子宮蓄膿症の診断の元、開腹してみてびっくりでした。片方の子宮が分岐部付近で捻れていて、今にもちぎれんばかりの状態でした。無事に全摘出できてほっとしました。予想通り中身は、血膿で充満していました。やはり、若いうちに避妊手術を済ませておけば、避けられた症例です!
ちなみに、当院で避妊手術を済ませたお宅での蓄膿症の発症例は未だかつて1例も有りません。他所で言われているような発症例があるとすれば、術式乃至は、医療機材の使用法に何か問題があるのではないかと思われます。

猫の避妊手術

ネコちゃんの避妊手術の縫合を終えたところです。生後5〜6ヶ月位の若齢で、肥満傾向が無いスリムな子は、ご覧の通り術創も1cm前後で3針縫合します。年齢が行って肥満がある場合は、皮下脂肪が厚く、腹腔内脂肪も増えるため、術野が大変深くなってしまうので傷口も多少大きくなります。腹腔内の血管はすべて凝固シールド止血しますので、糸は使いません。また、腹筋腹膜と皮膚は吸収糸を使用しますので、抜糸もありません。術後は少々大げさですが、腹帯で完全に保護してお返ししています。約1週間で傷は完治いたします。
詳しくは こちら

ドーベルマン犬の断耳整形

左から、生後2.5ヶ月の術前の画像:手術直後の画像:術後5ヶ月ころの全身像及び耳のアップ画像です。ご覧の通り、全く別の犬になった印象を感じられることと思います。しかし、この処置には術後1ヶ月から3ヶ月の期間、病院の指示通りに術後管理していただくなど、整形した耳の形を固定する時間と労力が必要でこのように立派に完成するには、オーナー様の全面的なご協力が不可欠です。この犬種のほか、ボクサー:ミニチュアピンシェル:ミニチュアシュナウツァーなどの犬種で断耳整形することがありますが、最近はスタッフォードシャー・ブルテリアなどの依頼も増えました。

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